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八十八夜の意味を知り、美味しい新茶の入れ方をマスターしよう!

   

すっきりとした青空が広がる5月。お茶の新芽を摘む「初摘み」の季節です。
ピカピカとした緑色の新芽を丁寧に摘む光景が風物詩となっており、お茶屋さんの店頭では「新茶入荷」の文字と供に「八十八夜」という宣伝コピーが躍るようになります。
ただ、詳しくない人からすると「八十八夜と新茶ってどんな関係があるの?」と疑問に思うのではないでしょうか?
そこで今回は、
八十八夜と新茶にはどんな意味があるのかを、さらに後半では、新茶を美味しく飲むための入れ方なども見ていくことにします!

八十八夜とは

八十八夜とは
八十八夜(はちじゅうはちや)とは、雑節の1つで、立春から数えて88日目にあたる日です。

雑節(ざっせつ)とは、二十四節気・五節句などの暦日のほかに、季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた、特別な暦日のこと。
引用元:wikipedia

雑節という言葉を知らなくても、「節分」や「彼岸」、「土用」は同じ雑節であり、身近な行事としてご存知かと思います。
八十八夜もそんな雑節の中の1つだと思うと、親近感がわいてくるのではないでしょうか!

ちなみに、2017年の八十八夜は、5月2日(火)です。

さて、この八十八夜ですが、数日後には暦の上では夏(立夏/5月6日頃)になることから、夏の準備をする日という意味があるのです。
特に農業をしている人々は、この時期に春から夏の気候に変わるため、農作業の目安として利用しています。
農作物に悪影響を与える霜も降りなくなり、露よけのよしずを取り除いたり、気候も安定することから、苗代のもみまきやお茶の初摘みなどが行われるようになるのです。
私たちの暮らしの中でも、この頃はゴールデンウィーク中になり、外出先で「今日は暑いなぁ…。」と陽射しや気温の変化を感じ取っているのではないでしょうか!
さらには、八十八夜に農作業を行うと縁起が良いとされています。
それは何故でしょう?

八十八という数字の意味

古来中国には、数字をゾロ目にして縁起を担ぐ風習がありました。
雑節という考え方は中国から伝わったのですが、末広がりの「8」のゾロ目「88」は縁起が良く、「繁栄する」や「財運が良い」という意味になります。
今回の「八十八夜」以外でも「四国八十八か所巡り」や88歳を祝う「米寿」なども8のゾロ目を使っており、数字で「幸福」を願うことは意外に多いものです。
お買い物のレジで「888円」と同じ数字が並ぶと、何だか嬉しいものそういうことでしょうね!

※他の行事でもゾロ目を使っていることが多く、3月3日の桃の節句や5月5日の端午の節句、7月7日の七夕などは奇数のゾロ目です。
奇数のゾロ目には邪気を払う意味が込められ、1年間の無病息災を願っています。

八十八夜と新茶

「夏も近づく~八十八夜っ♪」という歌を聞いたことはありませんか?
この歌は茶摘みの光景を歌っているのですが、八十八夜に摘まれた新茶を飲むと縁起が良く、1年間元気でいられるといわれています。
理由は「八十八」という数字の縁起担ぎに加え、冬の間に蓄えられた栄養素が新芽に多く含まれているからです。
ゆえに、新茶には独特の甘みと爽やかな風味があり、この時期だけの「縁起もの」として、八十八夜に摘まれた新茶を心待ちにしている人も多いのです。

次に、そんな新茶を美味しく入れる方法や風味を落とさない保存方法を見ていきましょう!

新茶の入れ方と味わい方

新茶の入れ方と味わい方
新茶には新茶のポテンシャルを引き出す入れ方があります。
新茶は、手摘みによって旨味成分がたっぷり含んだ葉だけを摘んでおり、その旨味を抽出する入れ方が必要なのです。
せっかくなので普段の入れ方ではなく、新茶の美味しさを引き出す入れ方をしましょう!

新茶の入れ方

新茶を美味しく入れるポイントは、
①お湯の温度
②蒸らし時間
③茶葉の量
この3点を適切にすることです。

お湯の温度

沸騰したてのお湯の温度では、渋みや苦み成分である「カテキン」が一気に溶けだしてしまいます。
新茶には旨味成分「テアニン」が多く含まれているため、この「テアニン」が溶けだす温度で入れることが重要となり、その温度は約60~70℃と低めです。
沸騰したお湯を一度急須に入れ、そのお湯を今度は湯のみに入れ、再度急須に入れ直すと、新茶を入れる適温になります。
(※ミネラルウォーターを使うときは、日本産の軟水を使用して下さいね)

茶葉の量

新茶の茶葉は、適量よりもたっぷりと多めにします。
これは、低温で香りと旨味を抽出するためには多くの茶葉が必要だからです。

蒸らし時間

茶葉を蒸らす時間は短くします。時間にして約30秒でOKです。
イメージとしては、低温のお湯で多めの茶葉を使い、ササっと蒸らして入れるといった感じになります。
そして、急須を軽く2回まわしてから湯のみに注ぐと完成です!!

甘味と若葉の爽やかな香りを感じられる新茶の入れ方を是非試して下さいね!

新茶の保存方法

残った茶葉は風味を落とさないように保存しましょう!
茶葉は湿気が苦手なので、しっかり密閉して暗所で保管することが原則。
そして一度封を切った場合は早めに使い切ることも大切です。
よく冷蔵庫に入れて保存すれば良いと言われますが、重要なのは密閉状態で保管されているかどうかになります。
きちんと口を閉じ空気の出入りがない状態にして、冷蔵庫に入れると良いですよ!

新茶の味わい方

口に含んだ時の甘みのあるまろやかさは、新茶ならではです。
新茶をしっかり味わうには、まずはお茶そのものの香りを楽しみ、そしてゆっくり口に含んで旨味を堪能しましょう!
そして、新茶に合う和菓子といえば、旬の「草餅」や、季節感がある「若鮎」などがベストマッチ!
個人的には、「みたらし団子」と新茶の組み合わせが好きですね!
産地によっても味わいが違うので自分に合う新茶と和菓子を探してみるのもこの時期ならではの楽しみ方です。

全国の新茶の名産地と特色

全国の新茶の名産地とその特色を紹介します。気になるお茶があれば、ネットでも購入出来ますので、この時期だけの味わいを楽しんで下さいね!

京都・宇治茶

古くから茶の産地として有名な宇治茶。自然の恵みをたっぷり受けて育った宇治茶は、その独特の黄金に輝く色合いとさっぱりとした味わいが特徴です。

静岡・静岡茶

生産量は国内第一位。爽やかな香りと明るい新緑色が特徴的な静岡茶。口いっぱいに広がる奥行のある味わいは、静岡茶ならではです。

福岡・八女茶

高級ブラント茶の八女茶。古くから栽培に適した天候や土壌で育ったお茶は、芳醇な香りと深みを感じるコクが特徴的です。

鹿児島・知覧茶

澄んだ緑色と爽やかな風味がたまらない知覧茶。旨味に幅があり味の豊かさはピカイチ。近年、全国茶品評会でも高い評価を得ています。

最後にひとこと

いつもはコーヒーを飲んで休憩している人も、この時期だけは新茶を入れて気分転換をしてみてはいかがでしょう!
テアニンの旨味が心を癒し、カテキンが疲れた頭をスッキリさせ、さらに縁起物と思えば、気分的もグングン乗ってくるかと思います。
新茶を飲んで心身ともにリフレッシュ!元気ハツラツの1日を過ごして下さいね!

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