浴衣のおはしょりが長い時、短い(作れない)時は、どう処理するの?
2018/08/10
夏祭りや花火大会の季節がやってきました!
日本の夏を楽しむためにも、可愛く浴衣でお出掛けしたいものです。
普段から着物に慣れている方ですと、慣れた手つきでササっと着てしまいますが、今回初めて浴衣を着る方やこの時期にしか着ない方には、やはり難しく感じます。
特に、着付けで重要なポイントである「おはしょり」を綺麗に作ることは、浴衣姿のバランスを整えたり、着くずれしにくくなる効果もあるため、浴衣を着るならバッチリ押さえておきたいところです。
また、おはしょりを作ったものの「長すぎてバランスが悪い!」や「背が高いから超短い!」という声をよく耳にします。
こういう場合はどうしたら良いのでしょうか?
ということで今回は、
「おはしょり」をキレイに作るコツを見ていきたいと思います。
スポンサーリンク
浴衣のおはしょりを綺麗に作る
おはしょりとは
おはしょりとは、女性の着物を着る時に、着丈(きたけ)を合わせるために腰の辺りで折り返した部分で、着丈を調整する機能を持っています。
そんな着丈の調節機能の他にも
②腰の形を整える
③おはしょりを引くことで、襟元のゆるみなどを元に戻す
④おはしょり部分を少なくすることで、裾(すそ)の痛みを仕立て直せる
といった役目があります。
一般的に「おはしょり」は、帯より下に約5~6cmほど出して着付けると綺麗に見えます。
お祭りでよく見かけるのが、20cmも出していたり、逆に出さずに着ていたりと、知っている人から見ると「残念」となってしまうので気をつけましょう!
おはしょりの長い短いができるのはどうして?
ご自分の体型に合わせて仕立ててもらった浴衣だと、普通に着るだけでおはしょりはベストな長さになります。
しかし、ネット通販や店頭の浴衣を購入する際、サイズがフリーサイズだったり、身丈165cmだけしかなかったりと浴衣のサイズは細かく設定されていません。
その理由は、浴衣は紐や帯を使って長さや幅を調節し、着る人の体型に合わせて着付けるからです。
ここで覚えておくと便利なのが、
①「浴衣の身丈=自分の身長」が1番ベストサイズ
②浴衣の身丈の-10cm~+5cm位までの身長ならカバーができる
ということです。
例えば、
身丈165cmに適応する身長は、約155cm~170cmぐらいになります。
このようにサイズにゆとりがあるために、
上記の例でいうと、ご自分の身長が適応身長の下限155cmに近くなると、余る部分が多く(おはしょりが長く)なり、
逆に上限の170cmに近くなると、余る部分が少なく(おはしょりが短く)なるということです。
そこで、おはしょりの長い短いが出来た時には、綺麗な長さになるよう処理をすることになります。
おはしょりが長い場合の処理
「おはしょり」が長くなりすぎてカッコ悪い…ってことはないでしょうか?
浴衣のサイズはゆとりがあるために、小柄な方ほど長くなる傾向があります。
もし、おはしょりが長い場合、処理の仕方が2パターンあるので参考にして下さいね!
腰紐をハイウエストに
この方法はとてもポピュラーで簡単な方法なので初心者向けです。
通常、腰紐は腰骨のあたりに巻いているかと思いますが、それをウエストもしくはハイウエストの高い位置で腰紐を締めます。
(※通常通り、腰紐を腰骨あたりで巻いておいて、追加の腰紐(2本目)をハイウエストの位置で締めてもOKです)
これにより、おはしょりの長さを短く調節することができます。
ポイントは、ウエストや背中の部分にしっかりタオルなどを詰めて寸胴に補正することです。寸胴にすると高い位置で締めた腰紐が落ちてこなくなります。
この方法の利点は、「おはしょりを引くことで、上半身の着くずれを直すことができる」という点です。
どの位置に腰紐を巻けば、バランスの良いおはしょりになるかを何度も直しながら見つけて下さいね!
たくし上げて伊達締めで押さえる
こちらの方法は少し難しく上級者向けです。
①おはしょりを作り、通常通り胸紐を締める。
②長く出ているおはしょりをちょうど良い長さにたくし上げる。
③伊達締めで落ちないように押さえる。
初めてご自分でする場合は、後ろをきれいに整えることが難しいので、クリップなどで仮止めしながら長さを調整していくと良いでしょう。
この方法は上半身の着くずれを直せないことが欠点です。
上記の2パターンとも「おくみ線」がズレやすいので気をつけて下さいね!
おはしょりが短い場合の処理
おはしょりが短い場合、どのぐらい長くしたいかによって処理の仕方が変わり、3つの方法があります。
腰紐の位置を下げる
もっとも簡単な方法です。
通常の腰骨の位置より下げて腰紐を結びます。たったこれだけです!
そうすることで、おはしょりの長さを長くすることができ、「少しだけ長くしたい」という時には有効な方法です。
(※この方法にプラスして、初めの裾の高さを決める時に少し高めにすれば、さらにおはしょりを長くすることが出来ます。
ただ裾を上げすぎると、子供っぽくなるので気持ち程度にしましょうね。)
おはしょりモドキを作る
上記の方法では、長くできる長さはある程度決まっています。
腰紐の位置を下げるだけではうまくいかない場合、「おはしょりモドキ」を縫い留める方法があります。
①まず「おはしょり」なしで浴衣を着付けます。
②帯板から5~6cm下の浴衣をつまんで折り返し(おはしょりモドキを作り)着丈を調整し、その位置を待ち針で留めます。
③浴衣を脱いで、縫い目が出ないように「おはしょりモドキ」を縫い留めます。
ただ「モドキ」を作ることに抵抗がある方は止めておきましょう。
布を足す
全くおはしょりを作れないほど丈が短い場合には、帯で隠れる部分に布を足すことで身丈を長くします。
この方法は、ご家庭で気軽には出来ないため、仕立て屋さんに頼むことになりますが、とても気に入っている浴衣でしたら、思い切ってお願いするのも良いでしょう!
おはしょり動画
いろいろな動画でおはしょりの作り方が紹介されていますが、浴衣の着付けが丁寧に解説されていましたので参考にして下さい。
最後にひとこと
初めてご自分で浴衣の着付けをすると、うまくできるだろうかと不安に思うこともあるでしょう。
しかし、ある着付けの先生いわく、「とにかく自分でトライすること!」失敗しながらどんどん上達していくものだそうです。
浴衣でお出掛けする日に初めて着付けするのではなく、前もって何度も練習すると大丈夫ですよ!
今年は可愛く浴衣を着こなし、日本の夏を楽しんで下さいね!!
スポンサーリンク
スポンサーリンク