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極上のつくしで最高の料理を!ポテンシャルを引き出す採り方と食べ方とは?

   

春の訪れを告げる「つくし」。
土の中からにょきにょきと顔を出した姿は愛らしく、人気のある山菜です。都会でも川の土手や草むらなどで自生することから、「つくし摘み」を多くの人が楽しみ、そして食卓に春を届けています。
ただ一方では、「美味しくない」、「食べたことがない」と、もっぱら観賞派に徹し、つくし本来の美味しさを知らない人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、
「つくし」の知識を深め、「つくし」のポテンシャルを引き出す採り方と食べ方について見ていきたいと思います!

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つくしとは

つくしの食べ方
つくしは漢字で「土筆」と書き、土から生える姿をよく表わしています。
一般的には「つくし」と呼ばれていますが、正式な植物の名前ではなく、シダ類トクサ科の植物である「スギナ」の胞子茎のことを指しています。
スギナ
スギナは、生命力の強い植物で、春から秋にかけて爆発的に繁茂します。
このため、農家の人には田畑の雑草として厄介者になっており、つくしの愛されイメージとは大きなギャップがあります。
冬になると枯れてしまうのですが、土の中では地下茎が生きていて、春になるとその地下茎から生えてくるのが「つくし(胞子茎)」なのです。
「つくし」の頭(穂先)には、緑色の胞子が入っていて、この胞子が飛び散ることでスギナが増えていきます。
胞子が飛び散った後のつくしは、穂先がカサカサになり枯れてしまうのです。

つくしの生える時期と場所

つくしが生える時期は、3月中旬~5月上旬と地域によって変わってきます。
同じ地域でも南向きの日当たりの良い場所では早めに生えてくる傾向があります。

つくしが生える場所は、湿気を含み柔らかな土壌が良いことから、川の土手や河川敷、田畑のあぜ道などで自生することが多くなります。
それ以外でも、春~秋にかけてスギナが群生している場所では、春になると「つくし」が生えてきます。
普段から「スギナ」の生えている場所をチェックしていると、自分だけの「つくし」スポットを発見することが出来ますよ!

以上が、つくしの基本な知識です。

次は、美味しい「つくし料理」を食べるためには、どんなつくしを採り、どんな食べ方をすれば良いのかを見ていきましょう!

つくしの見分け方(採り方)

見つけた「つくし」を手当たり次第に採っていては、料理しても不本意な味になりやすく、「つくし」を美味しく食べるためには、食べごろのものを採ることが重要です。
以下の様に、つくしの大きさや穂先(頭の部分)、袴(はかま/茎に付いている葉)の状態を確認し、料理に適したものを採取しましょう!

つくしの見分け方

つくしの大きさは、長さ10~12cm(太さは6mm程度)のものを探します。
そして、穂先はしっかり詰まっていて、褐色になっているものがベストです。(※穂先の緑色は胞子で、緑色が濃いものは苦味が強くなる傾向があります)
つくしの穂先比較
上図のAは、穂先が詰まっていて食べごろのつくしですが、Bは穂先がカサカサで、つくし本来の味が出せません。
ただ、子供さんや苦味が嫌いな方には、カサカサになったつくしの方が苦味が少なく食べやすくなります。
茎に付いている袴(はかま)は、3~4つ程度のもので、それ以上付いているものは下処置が大変になるため、見送った方が良いでしょう。
最後に、つくしに瑞々しさを感じるものを選んで下さいね!

美味しいつくしの条件
①大きさ ⇒ 長さ10~12cm、太さ6mm程度
②穂先 ⇒ 褐色でしっかり詰まっていてる
③袴 ⇒ 茎に3~4つ程度
④全体 ⇒ みずみずしいもの

つくしの成長は早いことから、すべての条件に合うものはなかなか見つからないのですが、すべてをクリアした一品に出会えた時は感動ものですよ!

つくしの摘み方

摘み方は、頭をつかんで引き抜くのではなく、根元をつかみ、ゆっくり真上に引き上げるとキズが付かずに抜けます。
また、摘むことが楽しくなり、必要以上に摘んでしまうこともあるので気をつけて下さいね。

つくしの食べ方(料理法)

つくしが新鮮なうちに料理をした方が良いのですが、摘んだそのままの状態では調理をすることが出来ません。
少し面倒ですが調理をする前には、つくしの「下処理」と「アク抜き」を行います。
この作業を手抜きすると、美味しさが半減しまうことを覚えておきましょう!
食べるまでの手順は、[下処理(袴取り)]⇒[水洗い]⇒[アク抜き]⇒[調理]です。

まずは、下処理方法について見ていきます!

つくしの下処理(袴取り)

つくしの茎には節ごとにギザギザの葉がついており、これを「袴(はかま)」と呼んでいます。
料理をする前には、必ずこの袴を取り除く下処理が必要です。
袴は繊維質のために硬く、残したまま料理すると食感が悪くなり、最後まで口の中に残ってしまうからです。

袴の取るコツ
①親指の爪で袴の付け根を抑えます。
②人差指で縦にむしり取りながら、袴を回す様に剥ぎ取ります。

この作業をすると、アクで指先が真っ黒になってしまうので、作業後はブラシを使って除去して下さいね。
※汚れるのが嫌な場合は、100円ショップでも売っている使い捨てのポリエチ手袋を使うことをオススメします。

袴の取り方は、動画で見ると分かりやすいので参考にして下さいね。

つくしのアク抜き

つくしはアクの強い食材です。ジャガイモの芽にもある「アルカロイド」という毒素を微量に含んでいることもあり、しっかりとアク抜きをしましょう!

つくしのアク抜き方法
①下処理後、つくしに付いている汚れを水で洗い流します。
②塩を少量(一つまみ)入れた熱湯に、つくしを入れ20秒程ゆがきます。
③ざるにあげ、冷水にさらします。
④数時間で新しい水に交換します。
⑤これを半日ほど繰り返せば、アク抜き終了です。

あとは、ぎゅっと絞り、水気を切ったつくしで調理をしていくことになります。

では最後に、定番のつくし料理として、「佃煮」、「卵とじ」「天ぷら」を紹介しておきます。
どの料理も簡単にできるので、食べ比べするのも楽しいですよ!

つくしの佃煮

つくしの佃煮
白飯がドンドン進んでしまう甘辛いつくしの佃煮。
ホカホカのご飯の上に、佃煮をどっさり乗せて一気にかきこめば、思わず笑みがこぼれちゃいます。
食べ過ぎ注意の一品になること間違いなしです!

つくしの佃煮の作り方
①フライパンにごま油をひき、つくしを炒めます。
②そこに調味料を入れ馴染ませます。
③中~弱火で混ぜながら汁気がなくなるまで煮詰めます。

【材料】
・つくし300g
・調味料(酒 大4、みりん 大4、砂糖 大4、醤油 大4、だしの素 小1)
・ごま油 適量

つくしの卵とじ

とくしの卵とじ
つくしのほろ苦さと卵の甘さが絶妙の一品です。
日本酒のあてにもあり、すっきり辛口のお酒とマリアージュです!

つくしの卵とじの作り方
①お鍋にだし汁と調味料を入れ加熱します。
②香り立てば、つくしを入れ、フタをして15分間煮ます。
③とき卵を回し入れて、フタをして火を止めます。
④余熱で卵が半熟程度に固まれば完成です。

【材料】
・つくし(300g)
・たまご 2個
・調味料(みりん 大2、醤油 大2、砂糖 大2)
・だし汁 大3

つくしの天ぷら

つくしの天ぷら
つくしを天ぷらにする場合は、アク抜きはせずに衣をつけて揚げるだけです。
揚げたてアツアツの天ぷらと冷えたビールは最高です!
カリッと揚がった天ぷらに、抹茶塩をつけて食べると最高に美味しいですよ!

つくしの天ぷらの作り方
①小麦粉に卵と水を入れて、天ぷらの衣を作ります。
②つくしに衣をつけて揚げます。
③カリッと揚がれば、キッチンペーパーの上で油を切り完成です。

【材料】
・つくし 食べる分
・小麦粉 大さじ5
・たまご 1個
・水 適量
・サラダ油 適量

他のつくし料理

定番料理以外にも、豚バラと炒めたり、パスタやピザのトッピングにしてみたり、さらにはかき揚げにしてみたりと、工夫次第でつくしのアレンジ料理が楽しめます。腕に自信のある方は、自分だけのオリジナル料理にチャレンジして下さいね!

最後にひとこと

つくしが土の中から力強く生えてくる様は大地の息吹を感じますよね。
この時期だけの旬を食し、大地のパワーを取り込みたいものです。
最近では、こういった昔ながらの食材を食べる機会が少なくなってきました。
ご家族でアウトドアに出掛けた際に、つくしに出会えた時には摘んで帰り、子供さんと一緒につくし料理を作ってみてはいかがでしょう!
子供さんも喜びますし、実体験に則した素晴らしい食育になると思います。

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