年中行事情報館

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雛人形の三人官女の役目とは?意外に知らない並べ方や持っている道具とは?

   

今回スポットを当ててみるのは、お雛様のすぐ下の段に並んでいる三人の女性たち。
そう、「三人官女」です。
見た感じは清楚で上品な女性に見えますが、実はバリバリのキャリア・ウーマンであり、この人たちがいたからこそ、お雛様が立派に成長できたといっても過言ではない才女たちなのです。
そこで今回は、
お雛様を支える三人官女の舞台裏を覗いてみましょう!

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三人官女とは

三人官女
三人官女の官女(かんじょ)とは、どういう意味なのでしょうか?
官女は、お内裏様に仕え、宮廷で働く女性のことで、役職とそれに伴う責任を負って働いています。
そして、この官女たちはお内裏様からお雛様の身の回りのお世話をするよう命じられた選ばれし者たちなのです。
一般的には、お雛様が嫁がれる時にご実家から一緒に来られた方がなるようです。

三人官女の役目

三人官女の役目は、平たく言えば、お雛様の付き人です。
しかし、付き人といっても身の回りのお世話をするだけでなく、お雛様に勉強や礼儀作法を教えたり、ある時は、歌を詠んだり楽器を演奏してお雛様を楽しませます。
このように、三人官女は色々なことをこなし、お雛様を1人前の女性にするための重要な役目を持った官女たちなのです。

三人官女の中でリーダーは誰?

三人の官女を見ていると、見た目の違う女性がいます。
眉毛がなくてお歯黒。
そして1人だけ座っている女性。
そう、真ん中にいる女性が三人の中で年長者、つまり官女のリーダーになります。
当時、眉毛を剃ることは既婚者の習慣であり、お歯黒(歯を黒く染めること)は美しいとされ、成人であることを表しました。
また、真ん中の官女とあとの二人の着物も違っている場合が多く、役職が上位であることを物語っています。
両端の二人は若い官女となり、次のリーダー候補といったところです。

三人官女の並べ方

正しい三人官女の並べ方は、向かって左から
「銚子(ちょうし)」⇒「三方(さんぽう)」⇒「長柄銚子(ながえのちょうし)」
の順に並べます。
(※銚子や三方とは、官女たちが持っている道具の名前です)

並び方を簡単に覚える方法

三人官女の正しい並び方は、覚えても次に飾るのが1年後になってしまうため、結局忘れてしまいます。
そこで一度覚えると、もう忘れることはない並べ方をご紹介します。

三人官女の並べ方
①真ん中に眉毛なしでお歯黒の官女を置く。
②残りの官女の足を見て、前に出ている足が台の外側になるように配置する。

これだと三人官女が持つ道具の名前を知らなくても正しく並べることが出来ます。

三人官女が持っている道具

三人官女が手に持っている道具は、一般的には、向かって左から「銚子」、「三方」、「長柄銚子」になります。
(※地域やセットによって例外はあります)
これらの道具を使い、お内裏様とお雛様の結婚式での祝杯を作る様子を表しています。

では、お酒を注いでいく順にどんな道具なのかを見ていきましょう!

銚子(ちょうし)

三人官女の道具(銚子)
向かって左端の官女が持ているのは「銚子」です。
(※一般的には「銚子」と言われていますが、「提子(ひさげ)」や「加銚子(くわえのちょうし)」とも呼ばれます)
銚子はお酒を注ぐための手持ちタイプの器になります。
まず初めに、銚子に入っているお酒を長柄銚子(右端の官女が持っている)に注ぎます。

長柄銚子(ながえのちょうし)

三人官女の道具(長柄銚子)
右端の官女が持っているのは「長柄銚子(ながえのちょうし)」です。
長柄銚子は、銚子で移されたお酒を盃に注ぐ役目になります。
官女に持たせる時には、注ぎ口がある方を内側にして両手で持たせます。

三方(さんぽう)

三人官女の道具(三方)
真ん中の官女が持っているのは「三方(さんぽう)」です。
三方は盃(さかずき)を乗せる台になります。
盃に長柄銚子からお酒を注がれ、お内裏様とお雛様の結婚式での祝杯となるわけです。

最後にひとこと

三人官女の役目が分かると、その姿は凛として見えます。
どんな仕事をしていても自信を持っている女性は輝いて見えるということでしょうね!
仮に、自分の娘を「お雛さま」とすると、お母さんはサポート役の三人官女です。
お母さんは、立派なお雛さまになるように、毎日毎日サポートするわけですが、その姿は凛々しくとっても輝いていると思います。
今回のひな祭りでは、三人官女に「お疲れさま!」と声をかけてみてはいかがでしょう!

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