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立秋の意味は?うなる暑さなのに暦の上では秋ってどういうこと?

      2018/08/11

8月上旬に訪れる「立秋(りっしゅう)」。
言葉からは「秋」を連想するのですが、その時期は夏まっさかり!
風物詩でもあるお祭りや花火大会が全国各地で行われ、また涼を求めて多くの人が、海、川、プールで水しぶきをあげて楽しんでいます。
このような時期に「暦(こよみ)の上では秋になり~」とお馴染みのフレーズを聞いたとしても、よほど詳しい人でもない限り、「こんなに暑いのにナンで秋なん?」と不思議に思うのではないでしょうか?
そこで今回は、
立秋にはどんな意味があり、どうして暑い時期に訪れるのか、そして、私たちの暮らしとどのようにかかわっているのかを見ていきましょう!

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立秋を知ろう!

立秋の意味
突然ですが質問です!
立秋は二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつで、毎年8月7日頃に訪れるのですが、どうして「8月7日」と決まった日ではなく、「頃」といった書き方にしているのでしょうか?

いきなり難しい質問をしましたが、今回のテーマである「立秋」を知るには、二十四節気のことを理解していくことになります。
ただ、この二十四節気は、なかなか取っつきにくく、難しく感じる部分もあることを先にお伝えしておきます。
できるだけ分かりやすく書いていますので、ガンバって付いてきて下さいね!

では先程の質問の答え合わせをしましょう。

二十四節気は、太陽とその周りを回る地球の位置関係によって24の季節を設けており、それぞれの季節には、太陽に対する地球の位置(地点)が決まっています。
地球がその地点を通過する日を、各季節の日にちとしているのです。

ただ、日にちを求める際に問題が出てきます。
二十四節気が元にしているのは、正確な地球の公転周期「365日と約6時間」であるのに対して、カレンダーでは1年を365日(公転周期を365日)として計算するために、地球が同じ地点を通過する時間にズレが生じてしまうのです。

だから、二十四節気の季節は毎年同じ日にちとは限らず、「○○日頃」という書き方にしています。

では、2018年の立秋はいつになるのでしょうか?

2018の立秋はいつ?

2018年の立秋は、8月7日(月)です。
もしくは、期間を指している場合は、8月7日~8月23日になります。

ちなみに、8月7日は、ドラえもんの野比のび太の誕生日
キャラ設定では、1964年8月7日生まれなので、現在、のび太は50代のおっちゃんなのです。(笑)

少し余談が長くなってしまいました。
次に、立秋の意味について見ていきましょう!

立秋の意味

月の動きを基準にした旧暦では実際の季節と大きなズレが生じてしまうため、二十四節気が取り入れられました。
この二十四節気は、太陽とその周りを回る地球の位置関係によって24の季節を設けているため、毎年同じ時期に同じ季節を感じやすく、また春夏秋冬といったザックリとした季節ではなく、細やかな季節感を得ることが出来るのです。
二十四節気での立秋
中でも重要なのは、二至二分(にしにぶん)と言われる「春分」、「夏至」、「秋分」、「冬至」の4つの季節。
そして、これらの季節の中間にあたる日(四立/しりゅう)を「立春」、「立夏」、「立秋」、「立冬」と名付け、季節の始まりとしました。
ニュースなどでよく使われる「暦の上では秋」という表現は、「二十四節気の季節では秋」という意味になり、夏至と秋分の中間にあたる「立秋」は秋の季節の始まりになるのです。

また天文学的には、立秋は黄経135度の地点を太陽が通過する日という表現をします。
黄経135度
上の図のように、地球を中心に太陽の見かけ上の通り道を黄道といい、太陽の位置を角度で表したものを黄経と呼んでいます。(※春分を基準)
黄経135度の地点は、夏至点(90度)と秋分点(180度)の中間点なのです。

このように立秋は、「夏至と秋分の中間にあたる日となりました。これからは少しずつ涼しくなり、秋を感じられるようになりますよ」という意味になります。

こんなに暑いのに秋の始まり?

前述した通り、二十四節気では、立秋からは秋の始まりです。
とはいえ、うなる暑さが続く時期に「秋が始まりますよー」なんて言われてもピンとこないですよね。

それにしても、どうして立秋の頃に暑さが厳しくなるのでしょう?
さすがに季節感がズレている気がします。

その理由には、
①気温が上がるには時間がかかる
②二十四節気は中国の季節感が反映されている
が関係しています。

気温が上がるには時間がかかる

太陽の熱は、まず地表を暖め、暖まった地表が少しずつ大気に熱を伝えるために、気温が上がるまでに時間がかかります。
これと同じ理屈で、日照時間が最も長く太陽からの熱が一番強い夏至の時期に一番暑くなるのではなく、少し遅れて気温のピークを迎えることになります。
梅雨がある日本では、本格的に地表を暖めるのは梅雨明け後。
ちょうど8月上旬(立秋の頃)がとても暑くなるのです。

中国の季節感が反映されている二十四節気

二十四節気は、もともと中国の黄河中流域(今の太原市周辺)で生まれたとされ、その土地の季節感が反映されています。
それを日本ではそのまま使うようになりました。
すると当然、二十四節気の季節と日本で実際に感じる季節とにズレが生じてしまいます。
中国の太原市は内陸性気候で、日本の気温変化に比べ約1ヵ月程早くなることから、本来の「立秋」は日本の8月末~9月頭に感じる季節だと考えれば良いでしょう。
これなら、立秋の日に「まだ暑さは残るけど、少し涼しくなってきたかな。」と感じるのも理解できますよね。

以上のことから、
日本の「立秋」は、暑いさなかに迎え、そして季節のズレを感じてしまうのです。

しかし、秋の足音がかすかに聞えてくるもの事実です。
私たちの暮らしの中、または自然の中から「立秋」を感じ取ってみてはいかがでしょう。

立秋と私たちの暮らし

夏の暑い時期に、相手の健康を気遣い「暑中見舞い」を送る人も多いかと思います。
この夏の挨拶状は、立秋の日を境に「暑中見舞い」から「残暑見舞い」に変わることをご存知でしょうか?
暑中とは、1年で最も暑さが厳しい時期のことをいい、立秋前の約18日間(夏の土用)を指しているため、立秋からは「暑中」でなく「残暑」を使うのです。
挨拶状を送る時期によって文言が変わる、ということを覚えておきましょう。

また自然の中から、ひと足早い秋の訪れを感じ取れる場合もあります。
身近な例では、スーパーで売り出される野菜や果物から秋の気配を感じることもあるでしょうし、ふと見上げた空が高く感じたり、秋の雲である「うろこ雲」や「いわし雲」が広がっているかもしれません。
高原では赤トンボが飛び始め、夕方のセミの鳴き声が「カナカナカナ」と蜩(ひぐらし)の鳴き声へと変わり、夜になるとコオロギが鳴き始めます。
このように、自然やそこで生きるものたちは、敏感に季節の移り変わりを察知しているのでしょうね。

他には、立秋に行う珍しい神事もあります。

立秋に行われる神事

淡路島の伊弉諾(いざなぎ)神宮では、立秋の日に無病息災を祈願する「立秋湯立神楽祭」が行われています。
この神事は、白装束の巫女(みこ)が、釜に入った熱いお湯をササの葉で力強くまき散らし、その湯を浴びると元気に過ごせるというものです。
暑い日に熱いお湯…。想像しただけで気が進まなくなりますが、毎年多くの参拝客が訪れています。
こういった行事に参加することで健康であることの大切さを実感し、体調を崩しやすい秋口を元気に過ごしたいものですね!

最後にひとこと

立秋の時期は、連日の暑さで疲労が蓄積されやすくなっています。
そこで、お友達に残暑見舞いを出して、体調を気遣ってみてはいかがでしょう!
普段はLINEやメールで連絡してる間柄でも、自分の文字、言葉で書くことに大きな意味があります。
肩苦しい文章にする必要はありません。
「暑いけど元気?まだ暑い日が続くけど体には気をつけてね!」と、素直な気持ちを伝えることが大切なのですから。
徐々に深まる秋と供に、友情を深めていくのも素敵です!

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