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祇園祭ってどんなお祭り?由来、日程、見どころをサクッと解説!

   

日本の三大祭りである京都「祇園祭」。
かつては文化の中心地であった古都のお祭りであると供に、日本の夏を代表する風物詩です。
そのため、今や海外からも注目されており、「OMATSURI」好きな外国人観光客が多く訪れています。
そんな祇園祭を、私たち日本人が見に行くなら、やはり由来や起源、見どころなどを知っておきたいもの!
格式を重んじる京都人の「心意気」に触れられるだけでなく、日本行事の奥深さを感じられるからです。
そこで今回は、
祇園祭に行くなら「これだけは押さえておきたいポイント」についてお話したいと思います。

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祇園祭の3つのポイント

祇園祭の由来
京都の暑い夏を演出する祇園祭は、平安時代から始まり、現在の八坂神社がとり行う、疫病や災害を退け平穏な日々を願うお祭りです。
その日程は、全国的にも珍しく、7月1日から31日まで行われる期間の長いお祭りとなり、メインとなるのが17日の前祭と24日の後祭。
この両日に行われる圧巻の「山鉾巡業(やまぼこじゅんぎょう)」と男気あふれる「神輿渡御(みこしとぎょ)」は、祇園祭の一番の見どころになっています。

はい!以上のように、祇園祭を簡単に説明しましたが、これでは物足りないですよね。
もう少し詳しく、祇園祭を「由来」、「日程」、「見どころ」の3つに分けて見ていきたいと思います。
そうすることで、よりお祭りを楽しめますし、自分も参加しているような一体感がわいてきますよ!

では、さっそく「由来」からスタートです!

祇園祭の由来

さかのぼること、平安時代の前期(869年)、京都をはじめ全国で疫病が大流行し、たくさんの人が亡くなりました。
当時は、疫病や災害が起こるのは、疫病神の怒りや死者の怨霊(おんりょう)の仕業だと考えられていたことから、この流行り病は、疫病神「牛頭天王(ごずてんのう)」の怒りだとされたのです。
そこで、怒りを鎮めるためには「神を楽しませるしかない!」となり、豪華な祭り(御霊会/ごりょうえ)を行い、疫病の鎮静化を図りました。
これが、祇園祭の起源だとされています。

祇園という名の由来

さて、祇園祭の「祇園」という言葉を聞いて何が頭に浮かぶでしょうか?
実はこの「祇園」は、遥か遠くの国「インド」からやってきた言葉です。
そして、八坂神社の祭神である「牛頭天王(ごずてんのう)」と「祇園」は密接な関係にあるのでした。
では「牛頭天王」について見ていきましょう!

牛頭天王って誰?

牛頭天王」とは、もともとはインドの神さまで、病気や災いをもたらす悪い神さまだったとか。
しかし、インドで仏教が広がり、その教えが取り入れられると、一転して、インドで5本の指に入る寺院「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)」の守護神になるのです。
これには諸説あり、「悪い神様でも怒らさないように祭れば、逆に、災いは起こらなくなる」という考えや、「お釈迦さまの説法により改心し、自分の力を善のために使ようになった」といわれています。
そんな牛頭天王が「疫病や災いなどを退ける力」として、日本に伝わってくるのです。

日本各地に広がる祇園神社

牛頭天王が疫病や災いを退ける神様として日本に伝わると、今の八坂神社の祭神となり、全国各地にも「牛頭天王」を祭る神社が広まったのです。インドでは祇園精舎の守護神であることから、これら神社のことを「祇園神社」、そこで行われるお祭りを「祇園御霊会」と呼びました。
京都だけでなく、「博多祇園山笠」や「小倉祇園太鼓」のように「祇園」の流れをくむ祭りが残っているのは、このためです。

八坂神社と祇園祭

日本には、古くから根付いていた宗教「神道(しんとう)」があったのですが、、仏教伝来により「神道と仏教が混ざり合った」宗教が信仰され、親しまれてきました。
ところが、明治時代になると、政府は「神と仏」をきっちり分けようと「神仏分離令」を発布したのです。
祇園神社も例外でなく、京都の「祇園神社」は、地名を取り「八坂神社」に、「祇園御霊会」は「祇園祭」に名前が変わったのでした。

以上のように、インドの守護神から始まり、日本で移り変わりをへて、今の祇園祭があるのだと思うと歴史の重みを感じます。
それに、毎年当り前のように行われていますが、運営に携わる人々の祇園祭に対する熱い想いがあることも忘れてはいけないですよね!

次は、祇園祭の日程についてです。

祇園祭の日程

祇園祭は、全国でも珍しい1ヵ月間もあるお祭りで、7月1日の「吉符入り」から始まり、31日の「疫神社夏越祭」で終わります。
その中でもメインとなる行事は、7月17日の前祭(さきまつり)と24日の後祭(あとまつり)です。
それぞれの日には、

7月17日の前祭 ⇒ 山鉾巡業と神幸祭の神輿渡御
7月24日の後祭 ⇒ 山鉾巡業と花傘巡業、還幸祭の神輿渡御

が行われ、祇園祭を見物するなら、このどちらかの日がオススメです!

また、7月14日~16日の前祭宵山(さきまつりよいやま)では、夜になると、それぞれの山鉾に提灯が灯り、コンチキチンと笛や鐘、太鼓で祇園囃子(ぎおんばやし)が奏でられます。
7月15、16日は四条通り・烏丸通りは歩行者天国となり、仕事帰りの人も屋台で楽しむことが出来ます。

※その他の日程は、京都市観光協会のHPでご確認して下さいね!

祇園祭の見どころ

祇園祭の見どころは、7月14日と24日の両日に行われる「山鉾巡業(やまぼこじゅんぎょう)」と「神輿渡御(みこしとぎょ)」になります。
それぞれについて見ていきましょう!

山鉾巡業(やまぼこじゅんぎょう)

祇園祭・山鉾巡業
京都の中心街を巡る「山鉾巡業」。その姿は豪華で美しく「動く美術館」といわれるほどです。
山鉾巡業の意味は、山鉾をひき歩くことで京の町の邪気やけがれを清め、祇園祭の主神(八坂神社の神さま)が通る道を作るため、とされています。
簡単に言えば、お清めをしているのです。

山鉾の順路
7月17日(前祭)は、午前9時に23基の山鉾が四条烏丸をスタートし、四条通⇒河原町通⇒御池通⇒新町通を巡り、新町御池を目指します。
7月24日(後祭)は、午前9時30分に10基の山鉾が烏丸御池を出発して、来た道を帰るように、四条烏丸へ向かいます。

この山鉾巡業の主な見せ場は、「しめ縄切り」と「辻回し」になります。

しめ縄切りは、山鉾が神域へ進むための儀式になり、山鉾の先頭をいく「長刀鉾」(※大きな長刀(なぎなた)を付けている山鉾)に乗っている稚児(ちご)が 四条麩屋町に建つ斎竹(いみだけ)に張られた「しめ縄」を切るのです。

辻回しは、山鉾が交差点に差し掛かると、山鉾の車輪の下に竹を敷き水をまいて、人の力で90度方向転換させるのです。
無事に回転できると、大きな歓声と拍手がわき上がります!

この辻回しが見られる交差点は、

前祭では、①「四条通と河原町通」の交差点、②「河原町通と御池通」の交差点、③「御池通と新町通」の交差点の3ヶ所になります。
後祭では、①「河原町通と御池通」の交差点、②「四条通と河原町通」の交差点です。

おすすめの交差点は、「河原町通と御池通」の交差点で、道幅が広く視界が開けているので絶好の写真スポットにもなっています。

その他として、山鉾の豪華な装飾も見どころの1つ。
美しく雅なタペストリーは、ベルギーやペルシャ産のものが使われており、歴史的に価値が高いものばかりです。

このように、山鉾巡業の見せ場が決まっているため、しめ縄切りや辻回しのポイントでは身動きが出来ないほど人が集まります。
しっかり見ようと思えば、早めに行き場所を確保した方が良いでしょう!

神輿渡御(みこしとぎょ)

祇園祭・神輿渡御

出典:http://www.yasaka-jinja.or.jp/

17日の神幸祭(しんこうさい)、24日の還幸祭(かんこうさい)で神輿渡御が行われます。
豪華で迫力ある山鉾巡業に目を奪われ気味ですが、祇園祭の最も重要な祭事は神輿なのです。
神輿渡御とは、神霊が宿った神体を神輿に移し、氏子地域を練り歩くことで、その地に暮らす人々の平穏を願っています。

17日の神幸祭では、まず八坂神社の西門前で出発の儀を行ない、午後4時頃、3基の神輿が八坂神社を出発し氏子町内を練り歩きます。
3基の神輿は、中御座神輿(なかござみこし)、東御座神輿(ひがしござみこし)、西御座神輿(にしござみこし)と呼ばれ、それぞれ別々のルートを通り、御旅所を目指します。
24日の還幸祭では、御旅所を午後5時頃に出発し、それぞれ指定されたコースを巡り、八坂神社に帰ります。

神輿渡御の見どころは、

①出発前に3基の神輿が集まる「三社揃い踏み」。
②掛け声と共に、神輿が高々と担ぎ上げられる「差し上げ」。
③神輿を回転させる「差し回し」。

になります。
また、祇園祭の神輿渡御での掛け声は「わっしょい!」ではなく、「ほいっと!ほいっと!」と独特なところも面白いですよ。

以上、祇園祭りのポイントについて見てきました。
祇園祭に行かれるに際には、参考にして頂ければ幸いです。そして、京の夏を目で音で肌で感じて、楽しんで下さいね!

最後にひとこと

祇園祭や八坂神社を堪能した後に、おすすめしたいカフェがあります。
八坂神社から南に徒歩15分、法観寺(八坂の塔)から約100mほど下がったところにある「アラビカ京都東山」です。
ここのコーヒーは、香り高くローストされた豆の味をしっかり味わうことができます。
中でもカフェラテは、ミルクと深みのある苦味(コク)のバランスがGood!また見事なラテアートも必見です。
そして、店員さんがイケメン男子。それだけも「うまさ」が数段UPしますよ(笑)
シンプルな「%」がプリントされたテイクアウトカップを片手に、京の町並みを楽しむにはピッタリのコーヒーです。
祇園祭の後には「アラビカ」のコーヒーをぜひ、お試し下さいね!

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