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鬼は内!福は内!えっ!? 鬼まで家に入れる豆まきってあるの?

   

「鬼は~外!福は~内!」と子供たちの元気な声が聞こえてくる「節分」。
鬼役となったお父さんが豆を投げつけられ、寒空に追い出されるのが、2月3日の風物詩です。
しかし、ある地方では「鬼は~内!福は~内!」と、鬼を招き入れて歓迎するところもあるのです。
「えっ!なんで?鬼は外じゃないの?」と思いますよね!?
そこで今回は、
豆まきの掛け声の謎について見ていきましょう!

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鬼は内!福は内!

鬼は内、福は内
「鬼は~内、福は~内」と掛け声で豆まきをしている地域は、宮城県村田町や奈良県の一部などが有名です。
豆まきと言えば、当然のように「鬼は外、福は内」と言ってきた人には、ちょっとした驚きですよね。
では、この「鬼は内」にどんな意味があるのでしょうか?

まずは、節分や豆まきについて理解を深めていきましょう!

節分とは

節分とは、季節の節目になり、二十四節気で季節の始まりされる「立春」、「立夏」、「立秋」、「立冬」の前日のことをいいます。
このように節分は年に4回あるのですが、現在では、「立春」の前日だけを節分と言うようになりました。

では、なぜ「立春」の前日だけを「節分」というようになり、鬼を追い払う行事となったのでしょうか?
これには、一年の始まりを「立春」からとする旧暦での考え方が関係しているようです。
この旧暦の考え方では、立春が元旦に、その前日である節分は大晦日となり、特別な「節分」であることから、立春の前日だけを節分というようになったそうです。
また、大晦日(旧暦12月30日)に宮中で行われていた「追儺(ついな)」という鬼を追い払う儀式が、旧暦の考え方による大晦日でもある「節分」に行われるようになり、豆まきをして鬼を追い払う行事として、定着していったといわれています。

豆まきの由来

節分で鬼を追い払うルーツは、古代中国の「追儺(ついな)」という季節の変わり目にやってくる悪い鬼を追い払う儀式だったとされています。
この儀式が日本に伝わり、平安時代には宮中行事として行われるようになりました。
当時の「追儺(ついな)」は、災いをもたらす邪気を鬼にみたて、邪気を払う桃の弓や杖で鬼を追い払うものでした。
室町時代になると、豆をまくことで鬼を追い払うようになっていきます。
その理由には、鞍馬山の鬼を炒った大豆で退散させたとの言い伝えがあるように、大豆には、神様の力が宿っており、悪霊を退ける力があると信じられていたからです。
鬼が恐れる大豆を投げつけ、邪気を払い、無病息災を願うようになったとされています。
最近では、お父さんが鬼を演じて、子供が鬼に豆を投げつけていますが、本来は家長や年男が豆をまくものなのです。

鬼は内!の理由とは

一般的には「鬼は外」と邪気を外に追い出すのですが、「鬼は~内、福は~内」と鬼を家に招き入れる掛け声があるのはなぜでしょう?
その理由は、日本の鬼は邪悪なものばかりではなく、鬼神(きしん)というように鬼が神様であったり、鬼を先祖の霊して祭っている場合があるからです。
例えば、秋田県男鹿の重要無形民俗文化財である「なまはげ」も神様に姿を変えた鬼なのです。
「鬼」という文字が入っている神社や地名、また「鬼塚」などの「鬼」が付く苗字が多い地域では、その昔、鬼を祭っていた名残で、掛け声に「鬼は内」を使うことが多くなります。

「鬼は~内」の主な神社やお寺
・鬼鎮神社(埼玉県比企郡嵐山町)
・稲荷鬼王神社(新宿区歌舞伎町)
・大原神社(京都府福知山市)
・元興寺(奈良県奈良市)
・金峯山寺(奈良県吉野郡吉野町)
・天河神社(奈良県天川村)

このように日本には「良い鬼」がたくさん存在し、鬼を家に招き入れることで、家族の無病息災を願っているのです。

面白いことに、「鬼は内、福は外」と一般的な掛け声と真逆になっている地域もあります。
これは「我が家に邪悪な鬼を招き入れ、福を外に出せば、その地域に住んでいる人たちに、より多く福が訪れ幸せとなり、巡り巡って自分たちも幸せになる」という考え方です。

最後にひとこと

世のお父さん方、今回の節分では「いい鬼」役を演じてみてはいかがでしょう!
これなら「鬼は~内!」となり、豆を投げつけられることもなく、寒空に追い出されることもありません。
それどころか、ビールを注がれ、肩まで揉んでくれるかもしれません。
たまにはこんな節分も良いのでは?
早速、奥さんに提案してみましょう! ただし、鬼の形相で睨まれても知りませんからね!

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